「……ま……まあな…」

おもわず敦美から顔をそむけ、ベッドに座った。

「さて、と……そろそろ下に降りますわ……」

くるりと振り向き、俺に背を向けドアの方に歩いていく敦美。

黒いストッキングはふくらはぎのあたりがふっくらとしていて、その部分は丸く素肌の色が透けて見えた。


「お邪魔さま」

部屋を出るとき、敦美はこちらを向いて、ニッコリほほ笑んだ。

再びの沈黙。部屋を見渡すと、さっきまで敦美が握っていたラケットが、バッグから少しだけ顔を出していた。

ーーカラッ……


それを取り出し、グルップの部分をぎゅっと握りしめた。