いとしのかずん

「ん?」

敦美は、そんな挙動不審な俺の視線を感じたのか、小首をかしげてこちらを向いた。

若干、寄り目ぎみのクリンとした瞳は小刻みにまばたきをしている。見ていると吸い込まれそうな気がして

「あ、いや……」

あわてて敦美から目線をそらした。

こめかみから前頭葉のあたりにかけて、一気に熱をおびていく。きっと今、俺の顔は赤らんでいるに違いない。