いとしのかずん

「巧! いつまで寝てるの?」

「え? ……まさか??」

ーーガバッ!

「うわ! ……って、敦美……」

「たく、あんたねえ、もう10時よ? 午後から部活じゃないの?」

「え? ……あ、ああ」

「いい加減に起きなさいよ! ほんとに……よくもまあ、そんだけ眠れるわねえ。あたし、下行くからね!」

「あ、ああ……」

茫然自失の俺を尻目に、階段を降りてゆく敦美の足音が、徐々に小さくなってゆく。

「また、夢、か……それにしても、今度は結婚なんて……昨日の山下の話が、頭に残ってんのかな……」