こいつは何を考えてるのか。



私が睨みつけると、あいつは爽やかに笑う。



「ヨダレがついて、可愛い顔が台無しだからな。」



可愛い、この私が。



ホスト野郎はそうやって、女に甘い事を言って、あのマンションに引きづり込むんだ。


あれ、声にでちゃった。



「おい、佳奈実、おまえは妄想が好きだな。」




失礼な妄想なんかじゃありませんから。



ただ、ホスト野郎がどうやって女を部屋に連れて行くのか考えてただけ。



「最初はクラス委員の仕事も嫌がってたけど、思ったよりしっかりやってくれてるし、安心したよ。」



「体育の授業さぼらないでほしいな。佳奈実は体力がないだけだから、体力つければ何でもやれるようになるよ。」




無理。



「体育は赤点で構わないですから。」



「すぐに結論だすな、そうだバスケ部のマネジャーやらないか。体力がつくと思うぞ。」




無理って言うか。



やだ。




いえ、結構ですと言おうとしたのに。



「これは担任からの命令。佳奈実は今日からバスケ部のマネジャーだ。」



はぁ、何をとぼけたこと言ってるのよ。



マネージャーなんて、絶対にごめんだ。


もう、本当にやだ。