「麻里の足冷てぇな。アイスノン入れてるみてぇだわ。お前冷え症だったもんな」
お兄ちゃんの温かい足があたしの冷たい足を摩擦し瞬く間にアイスノンから湯たんぽに変わる。
沢山聞きたい事があるのに胸の鼓動が邪魔して言葉が出てこない―。
高鳴る鼓動は初めて男の人に抱かれた時よりも遥かに超えていた。
「麻里、高校卒業したらどうするんだ?将来の夢とかあるのか」
言葉を探しているとお兄ちゃんから先に口を開いた。
「夢……?」
ここで、お兄ちゃんのお嫁さんとか言ったら昔、指切りした時みたいに喜んでくれるのかな…。
あの約束は”結婚”の意味を知らなかったあの頃だったから有効だっただけで大人になった今は無効に決まっているよね。
お兄ちゃんの愛は妹とへの愛情に過ぎない。
あたしだってお兄ちゃんへの愛は今まで両親役とお兄ちゃん役をしてくれて、たった一人しか頼れる場所がなかったから過剰に好きなだけかもしれない―。
きっと昔みたいにずっと一緒にいれば、小言言われてうざく感じたり反抗したり今の感情は薄れていくに違いない。
…ってことは、今のあたしに夢なんて無いと言うことになる―。


