「きゃぁ〜麻里可愛いやん。この写真何歳の時?」
「三歳かな。もぅ、そんなに見ないでよ」
あたしは初めて自分の家に莉奈を泊めた。
カラオケの後、何となくまだ莉奈と一緒にいたかった。
帰るとお母さんは案の定待っていてくれて、どう見ても高校生に見えない莉奈をお母さんは何も聞かずに温かく迎えてくれた。
むしろ喜んでくれていた。あたしが友達を連れてくるのは初めてだったから―。
「二人でお風呂はいったら?夜中だから静かに入るのよ」
「はぁい♪」
眠たいはずなのにお母さんはお風呂を沸かしてくれたり、お夜食を作ってくれた。
「麻里は恵まれてるよ。こんな大きな家であんな超美人の優しいママがいてさ。血が繋がっていないなんて思えないよね。見るからに親子じゃん」
あたしのスエットを身に纏った莉奈はふかふかのベッドに潜り込んだ。
「うん。山崎家の両親には本当に感謝してるんだ。あたしがバイトの事、言えないのも分かるでしょ?」
「そうだね。分かるわ。あたしも言えないかも」
まるで修学旅行の時みたいに布団の中で色んな話をした。
莉奈との距離がグッと近くなった気がした。


