「麻里!!死ぬな。俺を置いて死なないでくれ…」
温もりはお兄ちゃんだった。
お兄ちゃんはあたしを後ろから力強く抱きしめた。
「お兄ちゃん…」
「ごめんな。真実を知って辛かったんだろ?俺は麻里を騙してたんだからな。でも、だからって死ぬなよ」
お兄ちゃんは奮えるあたしを病室のソファに座らせた。
「俺は…あの事件で少年院に入った時、山崎の両親が面会に来て真実を知ったんだ。親父が人殺しで麻里は妹じゃないなんて…そんな馬鹿げた話、信じたくなかった」
「……」
「でも、真実は変えれないんだよ。受け入れるしかなかった。山崎の両親に麻里とは一生会うなと言われたが麻里の二十歳の誕生日だけ会わせてくれってお願いしてその日に全てを打ち明けるつもりだった」
「二十歳になったら迎えに来るって言ったのは嘘なの?」
「あぁ、すまない…」


