アパートの窓からあたしの赤い歯ブラシが見えた。 大きく深呼吸をして携帯の電源をOffにした。 胸元にはお兄ちゃんのエメラルドのネックレスが光り、 サマーコートの内側ポケットには、お兄ちゃんの部屋から持ちだした拳銃が不気味な形をして顔を覗かせていた。 使った事のない拳銃。 銃弾が入っているかも分からない。 あたしは覚悟を決めて部屋の鍵を廻した。