「新城さんが目を覚まされました」 医者があたしと篤さんに微笑む。 「先生、颯斗は大丈夫なんですか?」 篤さんが立ち上がり医者の白衣を掴む。 「彼は生きようと必死に頑張りました。一命は取り留めましたが油断は禁物です。誰かを呼んでいるみたいなので早く顔を見せてあげて下さい」 お兄ちゃん……。 生きててくれてありがとう。 麻痺していた神経が涙腺を弱め溜まっていた涙が一気に零れ落ち篤さんに肩を抱かれながらお兄ちゃんの側に近寄った。