「なぁ、麻里は正月どうするんだ?家族と一緒か?」


バイト帰り毎日迎えに来るようになった剛がベンチに座りホットコーヒーを飲みながら顔を覗き込む。


「両親は毎年正月になると海外に行くの…あたしも誘われたけどバイトあるし断ったんだ」


「なら旅行に行かないか?俺、仕事休みだし麻里も正月三が日以外は交代で休めるだろ?」


「行きたい!!剛ありがとう!!」


寒空の下抱き合う二人の体温は駅のあちこちにある氷柱を溶かすほどの勢いだった。





そして、両親も外国へ発ち剛と毎日のように旅行会社へ通い旅行の計画を立てていた。