ソクバク――…


莉奈からな言葉に体中が固まる。


恋人に携帯チェックされたりストーカー的な事をされる束縛なんて他人事だと思ってた。


今までそんな彼氏いなかったから。


「ねぇ、莉奈どうして束縛なの?」


「あたし、見たのよ。お店に来た時も麻里が他のお客さんと話してると凄い目をして睨んでるし麻里がちょっと席を外した時麻里のメイク道具や名刺が入ってるポーチチェックしてたの」


「……嘘…」


確かに店に出る時はピンクのポーチにグロスや名刺を入れて持ち歩いているけど、それをどうして…。


「麻里が名刺交換した相手までチェックしてんのよ。誕生日の日だって自分だけが麻里を祝いたかったんだわ。お客や友達から電話で邪魔されたくなかったのよ」


「そんな…」


剛が束縛…。


でも、これが本当に束縛なのだろうか…?


恋人を心から愛していれば独占欲が強くなったり、ましてや水商売の仕事しているから心配するのは当たり前なんじゃないんだろうか…。


冷めた珈琲を口に含みながら剛の事を思い、それでも信じようとしていた。