「今日帰りにカラオケ行こう!麻里の誕生祝いまだしてないしさ♪」
「うん!了解」
表からはグラスの音や笑い声が煩いくらい聞こえる中”Angel 庶務課”では、ほぼ素っぴんに近い二人がクリスマスパーティー用のカード作成や飾り作りに追われていた。
「あ〜今時、折り紙で作ったやつを飾るなんてないよね、幼稚園かって言いたくなるわ」
莉奈がハサミ片手に眉間にシワを寄せながら言った。
「ホント…この白いノリまだ売ってたんやね」
いくら経費削減とか言ってもクリスマスパーティー用の飾りなら百円ショップにいくらでもあるのに。
逆に懐かしい折り紙やノリの方が経費使ってるやん。
先輩ホステス達も容赦なく雑用押し付けるし、この間なんか”このドレスの裾、補正しといて”
なんて吐かすからあまりにも頭にきて真っ赤なドレスの裾上げを黒色の糸でしてやったっけ―。
庶務課に暇な時間は一秒も無かったのだ。
だから、そのストレスが満たんに達した頃、莉奈とカラオケに行き発散するのが明日へのエネルギー源だった。


