「麻里、綺麗だよ」


剛は胸元に光るネックレスをベッドの中で何度も触れた。


そして、重たい程の愛の言葉を浴びせながら何度もあたしを求めてきた。


もはや”気持ちいい”というより体中が痛かった。


「麻里、一緒に暮らさないか」


最上階の窓からバスロープ姿の剛が煙草を吹かしながら呟いた―。


「まだ同棲とかは考えてないから…」


抜け殻になった体に布団を包ませやっと出た声で返事をした。


「なら、麻里の両親に会わせてくれ。挨拶しなきゃ失礼だろ」


「う、うん」


普通なら彼氏にそんな台詞言われたら嬉しくて飛び付くところだろう―。


あたしにはどうしても素直に喜べなかった。