百物語骨董店



アナタハ…



「あなたは
この店に無くてはならない人

だから
この店は

あなたの前に
存在したのです」



無くてはならない?

俺が?この店に?



声は発しなかったが
それは伝わったようだった



「この店には

いわくつきの物ばかり
集まってくる

プピちゃんも
含めて、ね…」



隣りをそっと見ると
ブロンドの少女の首が


突然
くるりとまわって

こちらを向いた


よく見ると
瞳にはキラキラ光る石がはめ込まれている


「プピちゃんの瞳には

サファイアが

はめ込まれているんです」



とある人間の

自分勝手なエゴでね



男は無表情に
つぶやいた