まだ 少し安心できたのは 少女の背後からもれる 温かいオレンジ色の灯… ハヤクキテ… フフフ… 「そんなに怖がらせてはいけませんよ」 突然の 男の声に ハッと気付いたら 俺は もう既に 店の中にいた 紅茶の いい香りの漂う中に 男がひとり いた 漆黒の髪 濡れたように赤い唇 綺麗な 人だな… とつい思った 「あなたをお待ちしてたのですよ」 男は微笑む 同じ男なのについ 笑顔に見とれた