ウエストからフワッとひろがるスカートの裾から高級そうなレースのペチコートが見えている

…私が着たら膝小僧が隠れるくらいだろうか

いつの間にか私は頭の中でそれを着た自分を思い浮かべていた

「…まだあいてる」

その店はまだシャッターが降りていない
ウインドウの奥はオレンジ色の明かりもついていて、重厚なつくりの木製の扉にはOPENの札がかかっている
いつの間にこの店ができたのか、確かめたい気持ちもあって、私はその重い扉をそっと押してみた

意外にスッと扉は開いた
―誰もいない

中には古ぼけた家具やランプ、これもアンティークだろうか瞳にクォーツが埋め込まれているようなフランス人形などがところ狭しと置かれていた

ワンピース

洋服はそれ、一着きりだ
触ってみる

アンティークだからか、少しごわごわとするが上等なビロードなのか、毛並みはすごく美しい

「すごく綺麗…」

ため息がでる。私は見とれてしまっていた

その時

「魅了されてしまったのですね」

後ろから声がした

振り返ると若い店主がいつの間にか立っていた