「ご、ごめんなさいっ」
『てめぇ、廊下走ってんじゃねーよ』
ま、俺も走ってたから俺も悪いか。
そう思って謝ろうとしたけれど、顔をあげた女に睨まれたからつい…
『このダサ女』
そう言ってしまった。
やべぇ。
泣かしちゃったか?
なんて思ったけれど
「あたしだって好きでこんな格好してんじゃないわよっっ」
泣くそぶりすら見せず、キレてきた女。
『…は?』
おもしれーやつ。
『俺、おまえを相手してる暇ないから』
後ろでギャーギャー騒いでいる女をほっといて俺は会場に向かって走った。
あ、廊下は走っちゃいけないんだっけ。
そういえば苺李、もうきてんのかな。
この日がどんなに
待ち遠しかったことか…
君にはわからないんだろうな。
★


