『メイクの人。業界ではすっごい噂になってたよ。』




「噂って...」




『苺李はすっごく可愛い』



苺李をからかおうと思って
一瞬間をあける。

案の定、苺李のほっぺが赤くなった。




『って、噂になってた。でも実際はただの凶暴女だけど。』




「…ちっ」




舌打ちしてるけど
顔が真っ赤だから
説得力がない。


ほんと、可愛いやつ。




『…でも、苺李小さいころより可愛いくなったよな。』




これは本心。



この前までの俺だったら
こんなこと
恥ずかしくていえなかった。



だけど、
今は違う。





「…からかってんの?」




『からかってねーよ。』




今の俺には
余裕がない。


苺李を光太郎にとられてしまいそうで…



………!?


『…おまっ…なんで泣くんだよ?!からかってねーって言ってん「泣いてねーよ。」




『……』




いや、涙かなり流れてますけど…