―――――……
――――…
「もーいーかい」
遠くのほうで苺李の声が聞こえた。
これは…夢?
『もーいーよ』
一言叫んで
車のなかに隠れている俺。
小さいころの
あの懐かしい記憶……
『ここなら見つからない』
そう言ってワゴン車の一番後ろに隠れた小さい俺。
しばらくそこにいると
泣きわめく苺李の声と
男二人の声が聞こえてきた。
窓の外を見ようとした時、車の扉がひらき、
とっさにしゃがんだ。
……誘拐だ
小さな俺でもあの時の状況が理解できた。
暴れる苺李を車に乗せ、無理やり薬を飲ませている。
きっとあれは睡眠薬だ。
小さい俺は
あの薬がなんなのかわからず、
最初は毒を飲まされたのかと思って焦っていた。
(とにかく連絡しなきゃ)
そう思って
もっていた携帯で
光太郎にメールを送った。


