「せめて手がかりでもあればいいのにね」
他人事のようにぽつりとマリアは呟いた。
「手がかりねぇ……」
同じように呟いた瞬間、前方から物凄い勢いで回転した何かが自分たちに向かって迫ってくる。
「マリアッ!!」
思わずマリアの体を抱いて、その場に伏せる。
髪を掠める黒い物体のあと。
足元にはらりと舞い落ちたのは自分の金色の髪の毛の束だった。
一房しっかりとそこに落ち、広がった。
チッ。
美しく輝く髪を無駄に削るとは。
反応が遅すぎたか。
「ミカエル……何が……」
マリアが驚いたように自分の胸の中でこちらを見上げた。
周りを見回す。
黒い物体は自分たちのやってきた扉にグッサリと深く突き刺さっていた。
漆黒の大鎌は地獄の冷めた月の下、鈍い光を放っていた。
「あの鎌……!!」
扉に刺さったものを見つけたマリアがハッと息を飲み込んだ。
他人事のようにぽつりとマリアは呟いた。
「手がかりねぇ……」
同じように呟いた瞬間、前方から物凄い勢いで回転した何かが自分たちに向かって迫ってくる。
「マリアッ!!」
思わずマリアの体を抱いて、その場に伏せる。
髪を掠める黒い物体のあと。
足元にはらりと舞い落ちたのは自分の金色の髪の毛の束だった。
一房しっかりとそこに落ち、広がった。
チッ。
美しく輝く髪を無駄に削るとは。
反応が遅すぎたか。
「ミカエル……何が……」
マリアが驚いたように自分の胸の中でこちらを見上げた。
周りを見回す。
黒い物体は自分たちのやってきた扉にグッサリと深く突き刺さっていた。
漆黒の大鎌は地獄の冷めた月の下、鈍い光を放っていた。
「あの鎌……!!」
扉に刺さったものを見つけたマリアがハッと息を飲み込んだ。



