棘のある言い方を女はした。
敵意がたっぷりと表情にも声音にも含まれていた。
天使には無礼者が多い?
「それはおまえの知っている天使だろう? 自分は歓迎を素直に受け返しただけだ。それが無礼というのなら、無礼者はおまえ自身であろう? それに妖精と聞いていたのに……おまえは相当染まっているように見えるぞ。薄汚い地獄の亡者どもにな」
ピクリ……と女の片眉が動いた。
図星。
というところだろう。
「染まったのではなく、自ら染めたのよ」
女はそう言うとフフッと笑って見せた。
「命の雫を取りに来たのでしょうが、お生憎様。おまえのような輩に渡す者などここにはないわ。それに……今の私では、命の雫には触れることもできないから、早急に立ち去るといいわ。今帰ると言えば、怪我もなく帰してあげるから」
おまえのような『輩』と言ったのか?
チッ。
こんな悪魔に片足突っ込んだバカ者にまでバカにされるのか!?
片翼だの。
堕ちた天使の弟だの。
言っていること、すべてが気に食わない。
「では、おまえには頼まない。自分で取りに行く。場所と取り方を教えろ。それでこちらも許してやる」
「頼み方を知らないのね」
「元々、頼むつもりなどない。これは『役職付き』としての『命令』だ。下位のものが上位のものに従うのは当然だろうが」
その言葉に女はゆっくりと閉じていた瞳を開いた。
紅玉色に輝いた瞳。
それは悪魔の持つそれと同じもの。
敵意がたっぷりと表情にも声音にも含まれていた。
天使には無礼者が多い?
「それはおまえの知っている天使だろう? 自分は歓迎を素直に受け返しただけだ。それが無礼というのなら、無礼者はおまえ自身であろう? それに妖精と聞いていたのに……おまえは相当染まっているように見えるぞ。薄汚い地獄の亡者どもにな」
ピクリ……と女の片眉が動いた。
図星。
というところだろう。
「染まったのではなく、自ら染めたのよ」
女はそう言うとフフッと笑って見せた。
「命の雫を取りに来たのでしょうが、お生憎様。おまえのような輩に渡す者などここにはないわ。それに……今の私では、命の雫には触れることもできないから、早急に立ち去るといいわ。今帰ると言えば、怪我もなく帰してあげるから」
おまえのような『輩』と言ったのか?
チッ。
こんな悪魔に片足突っ込んだバカ者にまでバカにされるのか!?
片翼だの。
堕ちた天使の弟だの。
言っていること、すべてが気に食わない。
「では、おまえには頼まない。自分で取りに行く。場所と取り方を教えろ。それでこちらも許してやる」
「頼み方を知らないのね」
「元々、頼むつもりなどない。これは『役職付き』としての『命令』だ。下位のものが上位のものに従うのは当然だろうが」
その言葉に女はゆっくりと閉じていた瞳を開いた。
紅玉色に輝いた瞳。
それは悪魔の持つそれと同じもの。



