「悪魔が絡んでいるって言うの?」


マリアはこちらを睨みつけるように言った。

なぜ自分を睨む?

文句があるなら、悪魔に直接言うがいいだろうに。



「おまえでさえ、あんな下衆悪魔に捕まったのだ。
ガブリエルのような輩にかどわかされた相手など、簡単な話ではないか? 

それに……荒れただけか? もっと胸糞悪い気が満ちているように思えるがな。
これがあっちの住人の仕業でなければ。
その本人が堕ちた可能性だとてないとは言えないだろうが?」


その言葉にマリアは眉間にしわを寄せて見せた。


突かれたくはないだろうが、事実なのだから仕方ないだろう。
だいたい、あんな下衆悪魔のバカな誘惑に乗ったおまえが悪いのだ。

何が、子供は傷つけないでいてやるだ。

子供をすべての障害から守ってやることなど、無意味だと言うのに。


ま、マリアがあのバカと契約しようとしてくれたおかげで、アイツの覚醒は促されたけれど。


にしても。


アイツの覚醒……一時的ってことではないよな?

いや、そもそもレベルが低すぎるのだから……それもありうるのか。


チッ。
目覚めたらトコトン鍛えないといけないってことか。


「ミカ坊主、違うこと考えておらなんだか?」


ジジィがこっちを見据えている。

どうも、この与一郎とかいうジジィはやりにくい。

アイツの天軍のリーダーだが。
アイツの本当の祖父っていうわけでもないのに。
祖父以上に絡んでくるし。


しかも、ジジィなのに妙に派手なシャツだし。