「そう言ってもらえるのを待っておったよ、ミカ様」


そう言って、老人は大きなあくびを一つして見せた。


ちょっと待て。

なんだ、ミカ様って。


「天使様じゃ、ほれ、堅苦しいじゃろう? それに、おまえさんは『真理矢』の『マブダチ』だからのぉ。わしにとっては『孫』みたいな子の『マブダチ』だから、わしにとっても『マブダチ』」


ニッカリ。


若い頃は相当な男前であったろうジジィは笑う。


おい、ジジィ。


いつからジジィの『マブダチ』になったのだ。
それに……マリアとは『マブダチ』関係などではない。


それは自分的に絶対的に許可できない関係図だ。



「おまえさん。かわいいのぉ」


おい、ジジィ。


自分を年下みたいに扱うな!!


おまえより長い時間生きている。



「精神的には未熟じゃよ、おまえさん。人間の80年をなめるんじゃない」



ジジィはぴしゃりとそう言ってのけた。



精神的には未熟?

ふざけたことを好き勝手にほざくな、このクソジジィ!!