「わかった。心しておく」


振り返らずにそう答え、そのまま、天界のはずれの森へと向かって歩き出す。


それにしても。


一体、誰が自分と一緒に行くなどと。
バカげたと言うのか。
命知らずだと言うのか。


そんなヤツの検討もつかない。



ここには自分を慕う輩などいない。


兄がいた頃は……取り入ろうとしてすり寄ってくる輩は多くいたけれど。



「ダメだな……」



考えるべきでないことだ。

もう、昔の話だ。


今は堕ちた兄のことなど考えている暇はない。


目の前のことだけ考えろ!!



「同行者……監視官……か」



ガブリエルの推薦人物?




とりあえず。


そんな勇気ある者がいるのなら。



その顔でもゆっくり拝んでやろう……というところだな。