「あの……先生。申し訳ないんですが」

「はい?」

「お名前だけは伺ってもよろしいですか?」


おずおずと聞く父に、ガブリエルは一拍考えた後、にっこりと。


とろけるような笑顔をのせた。




「ジブリール。ジブリール=アルハンゲロスと申します。ね、ミハイル♪」



この場で『ね』じゃないだろう。



と思いつつ。



『どっちもどっちだと思わんかね?』


とアロハジジィがマリアの祖父母に同意を求めている声を無視しつつ。


やはり『ガブリエル』の降臨だけは遠慮しておくべきだったと。

そう思わずにはいられなかった。




この先、苦労しそうな予感がする。


そう、『ガッツリ』と??