真っ白な羽がふわり、ふわりと宙を舞う。

その中に、一人の白衣姿の男が出現する。


「なんだ、それは？」

「え？　お医者さんって言えば、白衣でしょ？」

「それで行くのか？」

「マリア君を診たお医者さんっていうほうが説得力あるでしょ？　あと、ボクはミカちゃんの遠い親せきで保護者ってことにしようと思うから。OK？」


OKも何もない。
言い切ったのはおまえだろうに。


「分かった。では天林寺家で」

「うん。ミカちゃんも頑張って。すぐに行くけどねー」



そう言って、ガブリエルとヨハネは帰り、残るのは自分と眠ったままのコイツだけ。


「抱きかかえるべきか？　負うべきか？」


天林寺の家の人間はこんな姿のコイツを見て、なんと言うだろうか？


殴られる覚悟はしておいたほうがいいのか？