ガブリエルがそう言って、眉間にしわを寄せた。

『餓鬼』という言葉に、同じように顔が苦くなる気がした。


「マリア君をあっちに引き寄せようと思ってるみたいだよ」


わらわらわらわら。

虫のように後から後から現れる。


「リミットは?」

「そうだね、一週間はなんとかなるんじゃない?」


一週間あれば。


「どうするの?」

「天林寺の家に行く」

「行ってどうするの?」

「説明する」

「説明?」

「一生面倒見させてくれって土下座する」



「「はっ?」」



今までずっと黙っていたヨハネまでもが同じタイミングで聞き返した。