「お疲れ様」


それがガブリエルが自分たちに放った帰省後、一発目の言葉だった。


「それだけか?」

「ん?」

「それだけかって聞いている」


ガブリエルは「はて?」なんてとぼけた顔をし、自分からグラスを受け取った。



「その話はまた後でしましょうか、ミカエルくん♪」


後でその話になったら絞殺してやる!!



ガブリエルはニコニコ笑いを崩さなかった。

そしてテンシンの身体を少し起こすと、口元にグラスを近づける。



「この者に主の加護があらんことを」


祈り、雫を喉の奥へと流し込んだ。


ごくり。



テンシンの喉が鳴る。



どうやら雫を無意識にだが飲み込んだらしい。



「はい。これで命の危険はないですが、問題が一つ」



問題だと?
命の危険がないのに、問題があるっていうのか?


このヤブ医者が!!