嘘吐き


いつしかの様に、中に入るなり涼がはしゃぎだした。
今日は制服を着ていたので、いつもより幼く見える気がする。

どうやら涼は都内でも有名な私立の学校に通ってるみたいだ。
あんなに長く一緒にいたのに知らなかったなぁ…


「2週間ぶりなのにすっごい懐かしいんだけど!
やばいテンション上がる」


明るく振る舞ってるけど、背中を見れば疲れてるってすぐにわかった。


「はしゃぎすぎ。
まぁ、とりあえず座って」


「はーい。
あ、あとこれお礼…たいした物じゃないけど」


渡されたのは、有名なホテルのお菓子だった。
やっぱり涼の家はお金持ちらしい。


「そんな気遣わなくていいのに」



「色々してもらったから…これでも足りないし。

そういえばさ、平日の里奈の様子見たの初めて。
里奈も学生なんだぁって安心する」


そう言えばそうだった。


「そんなに老けて見えました?」


「ううん、大人っぽかったからさ」


涼は恥ずかしがる様子もなく、サラっと誉めたり、気障なことを言ったりする。
この感覚が懐かしい。