嘘吐き

「そうなの…

わかったわ。どうするか決まるまではうちに居てかまわない。
涼くんしっかりしてるみたいだし、里奈の面倒ちゃんと見てあげてね。」


「ママ!」


そう言って笑った。


「でも夏休みが終わる迄には、一度お家に帰りなさい。
何かあったら、またいつでも逃げてきていいから。」


ママは、滅多に私の行動を否定しない。
そういう母親でよかったと、つくづく思った。


「じゃあ、お邪魔みたいだから事務所のほうに帰るわ。」


「そんな、もっとゆっくりしていってくださいよ」


「いいのよ、今日は荷物置きにきただけだから。
じゃあまたね」


そう言うと、すぐに出ていってしまった。