「まだ若いようだけど、いくつなの?」
「17です」
何が何だかわからないようだ。
かなり動揺しているママの姿は、相当おもしろい。
「まだ高校生?
こんな遅い時間まで大丈夫なの?」
今度は反対に、あたしが涼の言葉をさえぎった。
「涼…私から言うから。
ここ数日の間、うちで預かることになったの。
彼、お家にいたらどうなるか分かんないくらい危険らしくて…ね?」
「はい。
実家は少し離れたところにあるんですけど…
親が暴力をふるってきて、あまりにもエスカレートして、命も危うくなってきたんで家出したんです。
どこに行くか困ってたところ、里奈さんに助けられたんです」
「涼くんはヒロの知り合いでね、以前紹介してもらって、たまに会ったりもしてたの」
大抵うちの親は、ヒロの名前を出しておけば安心するから楽だ。

