「お前さぁ、里奈とどういう関係なの?」


ヒロがあたしの腕を掴んだまま、冷えきった声で涼にそう言った。


「は?」

涼も喧嘩腰だ。


「お前さぁ、里奈がどんな女か知ってんの?
好きでもない奴と簡単に寝る女だぜ?」


最低


言葉にされてしまったら味気なさすぎて我ながら虚しくなった。


「ヒロ、お願いだから帰って。
今までどおりの関係も続けるから」


もう挑発をしている余裕なんて私にはない。
精一杯の力を出して、震える声でそう言った。


「里奈はそんなこと言わなくていいから」


涼はこんな時でも優しい声でそう言ってくれる…

そんな彼の優しさにを知って、一瞬泣きそうになった。