ドアを空けて外に出る。

そこには少し日に焼けたヒロが立っていた。


「どういうつもり?」


あからさまに迷惑そうな声でそう言った。


「全然連絡くれないからどうしたのかと思って心配して来ちゃった」


下心が丸見えの台詞。
少しだけ寒気がした。


「ここ最近色々あって…
しばらくヒロとはつるんだり出来ないから」


正直に今の気持ちを言った。


「里奈らしくないじゃん」


一つ舌打ちをして、ヒロはあたしの腕を強く握り引き寄せた。



「ちょっと」


必死にヒロの腕の中から離れようとするが、男の力にはかなわない。


「目離してるうちに何勝手に落ち着いてんの?」


この人のことを初めて怖いと思った。


「あんたには関係ないでしょ?」


でも口からは相手を挑発する言葉しか出てこない。

私のバカ…


そんなことを言ってしまったために、ヒロはずかずかとあたしの手を引っ張って家の中に入ってきた。


「ちょっとやめてよ」


自分勝手かもしれないけど、
涼にこいつだけは会わせたくない。


だから必死に引き止めようとしたけど、ヒロは止まってはくれなかった。