嘘吐き


「私は…嘘を吐いて、人からの気持ちとか自分の気持ちから目をそらさなきゃ生きてけないの。

さみしさなんて感じないよ。



…でも心のどこかで、
普通の人みたく
誰かのことを大切にしてみたいって思うの」


いきなりこんなことを言われて少しきょとんとしていたが、すぐに優しい顔をした。


「十分素直じゃん。

わかってたよ、そんなの始めから。
言ったでしょ?
俺の目、どんな嘘でもわかっちゃうって。

誰かのことを大切に思うには、まず自分のことを好きにならないと。

だから…俺が愛してあげようか?
里奈のいいところいっぱい教えてあげる」



体の奥が熱くなるのを感じた。
この時、彼を信じてみたいと思った。


でも、愛し合うなんて私にはハードルが高すぎると怖気付いた。


「ごめん…
やっぱり今の取り消し。

もうちょっと時間が必要だよね」


私の思いが通じたんだろうか。
それとも彼も同じように思っていたんだろうか。

何れにしても、思いやりがうれしかった。

「まあたしかに、高校生にはまだ私は早いかもね」

ここは、いつもの自分らしく強がらなきゃいけない気がした。
それを聞いて笑う彼。


「でも…絶対里奈を助けられる男になるから」


一生懸命になっている涼がかわいくてしかたなかった。


「涼がそんな風になれるのか分かんないけど
…ありがとね」


俯きながら言ったから、はにかんでたのはバレてないはず。