ーーーー都内某ラブホテル





ただでさえ湿気が気になる六月なのに、こんなカビ臭い部屋でセックスするなんて、内心ごめんだと思う。




「里奈、好きだよ」



そう私の上で囁くのは、どうやら私の彼氏らしい。


一応って言うのは、こちらは彼のこと何とも思ってないってことで…

つまりは、彼の思いが一方通行ってこと。



「うん…私も」


あーまたやっちゃった。
こんなの真っ赤な嘘なのに…

なんで気付かないんだろ、かわいそうな奴。




そんなことを脳内で考えているのにも全く気付かないで、彼はことを進める。