「ただいまぁ」
涼が帰ってきて、料理を開始した。
以前のように、涼はソファに座りながらテレビを見ている。
「この年齢になってこんなことしてるとさぁ、なんか夫婦みたいじゃねぇ?」
急に涼がそんな事を言いだしたから、吹き出してしまった。
「涼って急に面白いこと言うよね」
「ひどいなぁ、真剣に言ったのに…」
「はいはい」
手際よく料理を済ませ、テーブルにオムライスとサラダ、デザートのケーキを並べた。
「お待たせ。食べよっか」
「かなり美味そうなんだけど!
いただきまぁす」
涼が一口オムライスを口にいれるとすぐに、
「やっぱり里奈のが一番おいしい」
と言ってくれた。
いくつになっても彼は恥ずかしいことを平気で言ってしまえるようだ。

