嘘吐き


「里奈はどうなの?」


「食品メーカーの内定は決まったてるよ」


「メーカーで働くんだ!
なんか里奈に合ってる気がする」


そんなこと言われたのは初めてだった。


「まぁ、お互い就職も決まったし、今日はお祝いしよっか」


提案者はあたし。
だって夜まで居てほしいんだもん。
こんなこと言わなくても居てくれるのは分かってるんだけどね。


「マジで!?
里奈の手料理食えるの!?」


一気に涼のテンションが上がる。
いつになってもわかりやすいなぁ…


「うん。
何がいい?
さすがにもうオムライスは無いでしょ?」



「え…それがいいんだけど…」


「そう言うと思った」



冷蔵庫の中が空っぽだったので、涼に材料とケーキを買いに行かせた。