セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―

「俺…今まであいつの事好きな気持ちを
手紙に書きためてた」



私の背中越しに
ハルは話し出す



「それを母親に見つかって…

病気だって言われてさ。あれにはかなり参った」

「あ…」



ハルのお母さんが
燃やしてたのは
その手紙…



「好きになったのが偶然同じ男だっただけで

俺が男だから
病気なのか?

そう思ったら
お前が持ってるような

長い髪とか
甘い匂いが

…欲しくなった」



わかる



私はわかる…




人を好きになるって



本当に
胸が苦しいんだもん



こんなに
胸をしめつけるんだもん