セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―

…そうだ

昨日
投げ出して帰った自転車

ハルが
届けてくれたんだよね


…お礼は言っておかなきゃ駄目かな



傷ついた心に
言い訳を聞きたいんだ
私はきっと



自然と
私の足は


ハルの家の方へ
自転車のペダルをこいだ
私の家から
5分ほど乗ると
ハルの家が見えてくる


家に近付いてくると庭に
ハルのお母さんが
しゃがみこんでいるのが見えた


…何か
燃やしているみたい


私が近付いても
おばさんは気付かない



手紙…?



何か書かれた手紙のようなものを


燃やしているようだった