セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―

「昨日、見てたの私」


チホがねっとりと言う



「別に。ハルは親友だから。浜辺で遊ぶのくらいいいんじゃないの」



私が言うと
チホの念入りにつけられたマスカラに囲まれた目が


キリリとつりあがった


「嘘つき。ハル君から聞いたよ」



何を…


ハルは何を言ったの?


「私が告白したら、ハル君はあなたと付き合ってるって言って断われたの」



ハルが
私と…付き合ってるって?


そう言ったの?


「嘘つき!やっぱり付き合ってたんじゃない」


本当に
ハルがそんなことを
言ったの…?