セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―

疲れ果てて
砂浜に大の字がふたつ

ほてった体に
たまらなく
気持ちいい潮風がふく


「なぁ」


ハルが口を開く


「なに?」


私はハルの方を向くけどハルは空を見上げたまま

「なんかあるなら言えよ?
俺とお前の仲だし。」


「うん」
渇いた喉の奥から
絞り出せたのは

ただ

それだけ


「俺はお前がどんな悪い事をしたって無条件でお前の味方なんだから」


そう言って
私を見る


見つめながら
砂浜に投げ出された

私の長い髪に触れる
ハル


そんなこといきなり
言わないでよ


そんな目で
見つめないでよ




求めたくなっちゃうじゃない




…泣きたくなるじゃない