黙々と歩く私に
チホが
切り出した


「ハル君と付き合ってるの?」


嫌な予感がした


「…そういうわけじゃないよ」

なんだか私らしくない

歯切れが悪い答え


「ほんとに?よかった!私ハル君のこと好きなの」


私は思わず
立ち止まる


チホはアスファルトの道路の上で


プリーツスカートを広げながらくるくる回る


やけにまとわりつく
チホのシャンプーの香りに


吐き気がした



私の方が前から好きだよ

チホより


もっと
もっともっと…


苦しいほど好きだよ



だけど
どうにもならないじゃない