セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―

「ねえねえ、これとってよ!」


気付くと
彼女はゲームセンターのUFOキャッチャーの前で飛び跳ねている


やっぱまだ
ガキ


「…しょうがねぇな」



俺は腕まくりして
コインを入れる


ボタンを押して
アームが動きだす


「いい感じいい感じ!」

彼女がはしゃぐ


アームが
くまのぬいぐるみの
耳を掴んで



…あぁ、落ちた


「…もう一回」


今度は的外れ



「もう一回!」




彼女の
喜ぶ顔が見たいから