セツナイ恋愛短編集―涙と絆創膏―


「…今日は

きっと長く居るだろう」


ゴト、と
コースターの上に置かれた
少し大きめの
グラス



彼が

私に出してくれた


ミルクティーは
いつもと少し違う



ミルクを凍らせた

乳白色の香り立つ氷



「白い…氷」


私がつぶやくと



彼は
言った


「…せっかくのミルクティーが

時間で…薄まらないように」



少し照れくさいのか
私の顔を見ないようにしていた