ふと… 我にかえったら 午後6時 私はまたあのカフェにいて いつものように ミルクティーを 頼んでいた 「…お嬢さん 大丈夫かい?」 「……」 はじめてだ マスターが 話し掛けてくるのは 邪魔をしない 静かな あの テノールで 「今日は あなたがここへ はじめてやってきた時と 同じ顔をしてる」 …あの日だ またうなじが痛み出す 自分なんて 消えてしまえばいい そう思った あの日