“彼”の目が私をとらえた。
私は、
もちろん逃げた。
信じられない。
こんなのってないよ。
高校生活1日目にして、私がココにいる意味は失われた。
外は雨。
ママはもう帰っちゃったし、私は傘を持ってなかった。
濡れるけどいいや。
どーでもいい。
家に着いたときには、制服はしぼれるくらい濡れてて、
傘買えばよかったのにってママに怒られた。
部屋で一人になったら、涙が止まらなくなった。
馬鹿みたい。
“彼”がいるっていう理由だけで、先のことも考えずに高校決めて、
今日から始まる生活を、すごく楽しみにしてた。
今日のために、体重も5キロ落とした。
毎日毎日“彼”のこと考えてた。
“彼”は、保健室の先生。
私の初恋の人。
