保健室の彼


あんまりうまくいってないのかな。

彼女は明らかに先生が好きだ。
でも、先生は一歩距離を置いてる感じ。

まぁ、私には関係ないんだけどさ。


「あ!ミナミハルキ!」

隣を歩いてる有紀ちゃんが遠くを指差す。

ミナミ…?

指の先には、スラッとした長身の美女。

保健室の彼女だ。

他の人に混ざると、余計白さが目立つ。

「綺麗だよね~。あれで保健室登校らしいよ。今年は結構教室にも来てるみたいだけど」

有紀ちゃんは3年生のお姉ちゃんがいて、情報通。
消極的な私に、ばんばん話しかけてくれて、気づいたら仲良くなってた。

「へぇ、そうなんだ…」

私は、彼女の動きを目で追った。
見たくないけど見ちゃう。
残念ながら、彼女は魅力的な人だと思う。