保健室の彼


10分くらい経ったかな…
彼女はまったく動く気配を見せない。
私いつまでここにいればいいんだろ。
先生帰ってきちゃうよ~。

さらに5分経過。
私は意を決した。

「あの…」

彼女はびくっとして、こっちに目を向けた。

「すみません!盗み聞きしようと思ったんじゃないんです!学生証探してて!そしたらお二人が来ちゃって!」

必死に意味不明の弁解。
でも、彼女には私の話なんて聞こえなかったみたい。

「あなた…この前の…」

やばい…逃げ去りたい…