「……迷ったわぁ」

美しい湖の畔で呑気に呟くのは、どこにでもいそうな茶色い髪と、水の様な青い瞳をもつ少女だった。


少女――リブルは、まったりと座り込んで、湖の水を飲む。

ずっと歩き通しで、足は棒の様だし、喉もカラカラだった。



ふと、良い香りがして、首を巡らす。


香りの元は、いかにも可愛らしい、白い可憐な花だった。

つい、それを摘んで、鼻先に近づける。



甘い香りが広がり、何だかとても眠くなる。

そう思った時にはもう、リブルは地面に倒れ込んでいた。