「強いですね、ひかりちゃん」 帰り道、ハルがぽつりと言った。 「強いんじゃない、強がってるだけなんだ」 前を一人で歩くケンさんが、独り言のように答えた。 「強がってる…か…」 ひーちゃんのことを考えると、なぜか娘の顔が浮かんだ。 あいつは強がってるのか? それとも… 「ズミさん、俺達は警備室戻るけどどーする?」 トミさんに聞かれ、ハッとする。 自分の娘なのに… うまく距離が縮まらないことが悔しかった。